犬が段差を少し登っただけで痛くて動けなくなった…足を部分断裂で治療開始

症状・治療

先日、犬の散歩をしていて家の前の段差を2段上がった瞬間から痛がりうごけなくなってしまいました。
すぐに救急に連れていき、原因が判明。
治療経過と、靭帯断裂について詳しく聞いてきました。

犬の前十字靭帯断裂について

靭帯とは、正式名称「前十字靭帯」「後十字靭帯」。
この靭帯は骨と骨をつなぐ繊維の束の事を言います。

膝関節の内部に存在している靭帯で、後十字靭帯とともに大腿骨と脛骨を繋ぎとめ安定させている頑丈な靭帯です。
その名の通り前十字靭帯と後十字靭帯は十字に交差をした位置関係にあります。膝関節が屈伸運動をする時に大腿骨と脛骨を一定の距離で安定させる機能をもっています。

さらに、図のような位置関係にあることで、
①脛骨の前方変位を制御する力
②脛骨の内旋を制御する力
③膝関節の過伸展を制御する力に特化しています。同様に、後十字靭帯は
①脛骨の後方変位を制御する力
②脛骨の内旋を制御する力
③膝関節の過伸展を制御する力に特化しています。

https://www.nk-inuneko.com/report/r00018.php ぬのかわ通信

イラストの赤い部分がさまざまな原因により、靭帯が完全にまたは部分的に切れてしまいます。
前十字靭帯が損傷を受けると膝関節では強い炎症がおこり、重度の痛みと跛行(つりあいがとれないまま進むこと)を引き起こします。

前十字靭帯損傷・断裂の症状

炎症により、関節がひどく痛むので歩き方に違和感がでます。

☑︎歩き方がおかしい
☑︎足が地面につけられない
☑︎びっこを引く
☑︎動き出しが鈍い
☑︎痛がりクンクン鳴く
☑︎食欲がない

【予備軍としての症状】
☑︎足を投げ出して座っている
綺麗な左右対称のお座りができないお座りをさせると、後ろ足が外側あるいは内側へと流れてしまう(お姉さん座りやあぐらをかくような座り方をする)
☑︎寝起きなどに足をあげて歩く
☑︎重心がふらついている
いつも同じ側の後ろ足だけ体重をかけずに立っている


また前十字靭帯断裂で不安定な関節のまま運動をし続けると、半月板の損傷を合併し、さらに重度な痛みと跛行が長期化します。

前十字靭帯断裂の原因

1.急性前十字靭帯断裂

何かきっかけがあり、外傷が原因で生じるもの。
交通事故
・スポーツ(フリスビーやボール投げなどの運動)
により、過剰な負荷が膝関節に加わることにより起こります。
運動量の多い2〜3歳未満の犬で見られます。

人の前十字靭帯損傷ではこのタイプが最も一般的ですが、犬の前十字靭帯断裂では稀です。

2.慢性前十字靭帯断裂

前十字靭帯がゆっくりと慢性的に変性していくことが原因で生じるタイプです。
前十字靭帯の変性が進行していくと、靭帯は十分な強度を維持できなくなり、普段の運動でも小さな損傷が蓄積していき、部分断裂が生じます。

悪化を重ねると靭帯の完全断裂に至ります。犬の前十字靭帯断裂のほとんどがこのタイプです。

 診断結果 

我が家の犬もこの慢性前十字靭帯断裂でした。
もともと、右足の関節がゆるいと言われていたので、庇うためにうまく重心がかけてれていなかったためでした。

原因として、遺伝やさまざまな生活習慣が考えられます。そいて

・遺伝
・肥満気味
・運動量が多い
・段差などをよく上り下りする
・加齢

前十字靭帯損傷の疑いがある時の検査

触診

触診では
・膝関節の伸展時疼痛のがあるか
・膝関節の内側の腫れ
・筋力低下(筋肉の不使用性萎縮)
・脛骨前方引き出し試験
・脛骨圧迫試験
などから前十字靭帯の痛みと大腿-脛関節の不安定性(ズレ)を確認。

内側半月板を損傷している場合は、膝関節の屈趾伴いクリック音がする場合も。

実際に触診をしてみて
「膝関節の内側の腫れ」があるようで、触ると唸りました。
脛骨前方引き出し試験では、足がするっと抜けてしまい、足が上まであがりません。

レントゲン

・関節内に炎症がある場合、関節液の増加が起こる事も
・膝関節内に存在する脂肪の圧迫像
・関節炎が生じ大腿骨滑車稜、あるいは脛骨高平部の尾側、膝蓋骨遠位などに骨棘形成(関節炎)が起こっていないか
などをみます。

靭帯を損傷しやすい年齢と犬種

犬の前十字靭帯断裂は、小型犬から大型犬まですべての体重の犬で認められますが、体重の負担がかかりやすい大型犬や超大型犬が多い。

発症しやすい年齢

・大型犬→5〜7歳
・小型犬→高齢の10歳前後
で発症しやすい傾向があります。

発症しやすい犬種

ウェスティ(ウェスト・ハイランド・ホワイト・テリア)、トイ・プードル、チワワ、パピヨン、ミニチュアピンシャー、ポメラニアン、パグ、狆、トイ・マンチェスター、セントバーナード、マスティフ、ピットブル、ロットワイラー、秋田、ラブラドール・レトリーバー、フラットコーテッド・レトリーバー、ゴールデンレトリーバー、甲斐、土佐、ダルメシアン、シベリアンハスキー、柴犬、雑種、イングリッシュ・コッカースパニエル、アメリカン・コッカースパニエル、ジャックラッセルテリア、ウェルッシュ・コーギー・ペンブローク、ペキニーズ、シーズー、ビーグル、フレンチ・ブルドック、ジャーマン・シェパード

見出しタイトル
今回、受診した犬は「パピヨン」の「11歳」でした。
ちょうどこの枠に入ってきた年齢。

以前から蓄積されていたものが段差を登った負荷により、損傷したようです。

前十字靭帯部分断裂の治療

まず炎症をとり、靭帯がくっつくのを待たなければなければいけません。
今回の治療方法
・アンチノール

炎症を抑える
1日2粒

・オゾン

炎症を抑える、痛み止め
1週間に1回

・隔離

靭帯がくっつくまで動かさないようにするため


・減量

足への負荷を少なくするために、適正体重へ


この4つです。

靭帯の損傷は長い付き合いになります。
今回は部分断裂という事で、残りの命綱までも切れてしまわないように自宅治療を続けていきます。

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